この記事ではプロ野球のニュースでよく見る「コンディション不良」について取り上げています。
選手が故障して2軍に落ちるときななどによく見る「コンディション不良」。
これって怪我なの?怪我まではしてないの?ちょっと調子悪いだけ?
よくわからないですよね。
気になったので調べてみました。
コンディション不良とは何か
プロ野球の報道でよく見るコンディション不良。これは選手の怪我の内容を明かしたくないときに使われるフレーズです。
骨折も肉離れも関節炎も突き指も肘痛も肩痛も全部を表現できるのが、「コンディション不良」なんです。
例えば
- 脇腹を痛めた…上半身のコンディション不良
- 首痛…上半身のコンディション不良
- アキレス腱痛…下半身のコンディション不良
- 脚の小指の骨折…下半身のコンディション不良
こんな感じで詳しいことには触れず、コンディション不良という言葉で済ますことができるんですね。
コンディション不良は情報統制のために使う
コンディション不良というフレーズを使う背景にあるのは、球団側の情報を明らかにしたくないという心理です。
選手の怪我の内容を明らかにしないことで、球団にメリットがあると考えるときに使われます。
「コンディション不良」を使うメリットとデメリット
怪我の内容を「コンディション不良」として隠すことには、どんなメリットとデメリットがあるんでしょうか。
メリット・球団内部の情報を隠せる
球団によっては、選手がどの程度の怪我をしてどのくらいの期間で復帰できるのかを他球団に知られたくない場合があります。
選手層の問題があったり、優勝争いをしていたり、チーム内の情報を知られない方が得だという戦略的な判断があるときがあります。
そういう場合は怪我をした選手の情報を隠して、相手チームに今後の動きを読ませないのがメリットになります。
メリット・選手が怪我の情報を隠せる
選手によっては、怪我の情報が今後の移籍に影響すると考える人もいるようです。例えば、以前に肘を痛めたことがあるという若手選手の情報が公表されている場合、トレードや人的補償の対象にならないというケースが考えられます。
若手選手からしたら移籍はチャンスのひとつでもありますからね。
デメリット・ファンが情報を知ることができない
好きな選手が怪我をして2軍落ちしたら、どの程度の怪我でどれくらいで復帰できるかどうかって、かなり気になりますよね。
場合によっては長期離脱もありますし、球場で次にいつ見られるか知りたいのがファン心理というものです。
「コンディション不良」でその情報を隠してしまうと、ファンはそれ以上の情報を知ることができません。ファンサービスとは正反対の姿勢と言えますね。
コンディション不良の表現は2016年ごろから
コンディション不良という表現がよく使われるようになったのは、2016年前後からと言われています。きっかけは、高橋由伸監督がジャイアンツの監督に就任したこと。
高橋巨人が選手の故障情報を隠すようになったことをきっかけにそれに追随する球団も出てきました。
コンディション不良を使う球団
コンディション不良という表現で選手の個別の故障情報を公表していないのは、主に読売ジャイアンツ、ヤクルトスワローズの2球団。
ヤクルトは「情報も戦力」と公言して、ほとんどの選手の状況をコンディション不良と説明しています。
ただ、シーズン前に手術をする場合など、あきらかにシーズンの半分くらい出場できない場合は公表しているみたいですね。
反対に、横浜DeNAはファンの視点に立って怪我や手術の情報を公開しています。日本ハムファイターズも同様の立場みたいです。
球団ごとに考え方やスタンスはいろいろですね。
あとがき
球団にそれぞれの考え方があるのはわかりますが、ファンとしては選手の情報はできるだけ知りたいですよね。
僕はヤクルトファンですが、いつもお決まりの「コンディション不良」なのでちょっとヤキモキしています。
ファンにとっては怪我をした選手を心配することすら楽しみの一つですからね。もちろん復帰を楽しみにするときの目安にもなりますし。
情報を隠してもそんなにメリットはないと思いますし、できればコンディション不良というフレーズでごまかすのはやめてほしいなと思います。
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